プロジェクト紹介

 
PROJECT 01

家族の未来に寄り添う、安心と誇りの住まいを築く。

PREDEAR COURT SAGINUMA

所在地:川崎市宮前区

本プロジェクトは東急田園都市線鷺沼駅から徒歩2分と近く、以前社宅であった土地に誕生した7階建て総戸数89戸の賃貸マンションである。採光・眺望に優れた小高い見晴らしの良い丘の頂上に位置し、周辺環境は自然が多く子育てに適した環境である。都心へのアクセスが良好なことから、通勤する会社員を中心としたファミリー層に支持されているエリアで、駅近ということもあり、共働き世帯や子育て世代など多様なニーズに応える間取りを展開している。

施工のこだわり・技術ポイント

施工計画

仮設計画として、南側・西側から資機材を搬出入する計画とするために、タワークレーン及び仮設エレベーターを2か所設置する計画としました。コンクリート打設に於いては南側・西側から施工する計画にしました。また、各資機材搬出入が道路上での作業になるため所轄警察署の指導の下、適正に誘導員を配置し第三者災害防止に努め、安全第一で作業を進めました。

配置・1階平面図 縮尺1/800
総合仮設図

工程管理の工夫

特に工程のボトルネックとなる可能性があった敷地北東側の機械式駐車場は、杭工事期間中に先行施工。これにより、躯体工事との干渉を回避し、全体工程の圧縮と効率化を実現しました。
また、建物がコの字型で各棟同時進行という複雑な工程となる中、資機材の円滑な搬出入を可能にするため、搬入計画と工程調整を綿密に実施し、仕上げ工事への影響を最小限に抑えることに成功しています。

共用部の対応

建物3棟に囲まれる形で設けられたコモンホールやコモンテラスの施工にあたっては、早期の通路計画・工程表の作成により、協力業者がスムーズに作業できる体制を整え、工程遅延を防止しました。
また、エントランスアプローチの仕上げ部分では、カーテンウォール裏の施工をガラス設置前に行う必要があったため、雨水による仕上げ材の劣化を避けるため細心の配慮を行い、品質を確保しました。
さらに、外構の石積み工事では高低差のある立地条件に対応しつつ、他の仕上げ工事との兼ね合いも考慮して作業区画・車両配置を確保。関係業者との連携により、遅延なく無事に竣工を迎えることができました。

エントランスホール
ファサードディテール夜景
エントランスアプローチ夜景
コモンテラスよりコモンホールを見る

現場の舞台裏:現場担当者インタビュー

H.K

(仮称)プレディアコート鷺沼新築工事作業所
統括所長
1988年南海辰村建設(旧辰村組)入社。建築科卒。

T.K

(仮称)プレディアコート鷺沼新築工事作業所
主任
2014年南海辰村建設入社。建築科卒。

このプロジェクトで、最も大きな課題や困難だったことは何ですか?
また、その課題に対して、どのような工夫や対応をされましたか?
  • H.K

    コモンテラスの仕上げを行う上で、建物3棟に囲まれた配置であったため、資機材搬入ルートの確保が必須となっていました。そこで、通路計画の早期作成を実施し、細かい工程表の早期作成を行い、協力業者がスムーズに作業できるように配慮して、共用部工程に間に合わせることができました。
    また、機械式駐車場の配置計画が計画建物奥になっており、機材を搬入するのに外構工事を進めながら作業を行うため、他作業との調整に苦労しましたが、他業者との打合せを密に行い作業動線を西側からの動線と南側からの動線に分けて計画しました。

  • T.K

    敷地に余裕がなく、仮設計画に苦労しました。そこで、機械式駐車場の躯体工事を先行して施工した後、足場でステージを組立て休憩所をその上に設けました。
    機械式駐車場が一番奥まったところにあり、周りは建物で囲まれる為、休憩所もユニット式ではなく、搬出のことを考慮して組立てパネル式のものを選定しました。その他の仮設配置含め、より良い作業環境づくりを心掛けました。

「工程管理」で特に気を配ったポイントがあれば教えてください。
  • H.K

    各棟に於いて躯体工程、仕上げ工程を並行して進めていく必要があるため、作業間の連絡調整を行って作業工程がスムーズに進むようにしました。

  • T.K

    躯体工事は棟と棟の工程間隔が短く、1棟が遅延すると全てに影響が及んでしまうような状況でした。また、各棟で協力業者も分かれており、搬入計画や揚重機の使用順序含め作業工程は入念に計画しました。
    外装仕上げについては特殊塗装含め多くの種類があり、作業間の調整がすごく難しかったです。各棟各面で仕上げが異なるので、まず関係業者と打合せを行い施工順序を決めました。
    天候に左右される場面もありましたが、協力業者皆さんの協力と頑張りでうまく作業間の調整ができました。

共用部(コモンテラス・ホール)やエントランスアプローチ・外構部分の施工で、印象に残っていることや特にこだわったポイントはありますか?
  • H.K

    エントランスホールの仕上げは吹き抜けの納まりになっている関係で仕上げ材を搬入するのに苦労しましたが、各業者の協力のもとスムーズに施工が出来ました。
    特に配慮した部分はエントランスアプローチ部の外観であり、カーテンウォール裏の仕上げをガラス取り付け前に行わなくてはならない納まりであったため、仕上げ材が雨水で濡れることがないように気を遣っての施工となりました。

  • T.K

    コモンホールは3棟に囲われ中庭にも接しており、施工のタイミングが難しかったですが、各所との調整を重ねながら、最適な方法を模索いたしました。
    エントランスもコモンホールと同様に意匠性に優れた設計となっており、業種数も多く手配と段取りが大変でした。また、施工時期も終盤で、後の外構仕上げ工事まで余裕がない中ではありましたが、仮設足場を組み換えて屋根を張れる段取りをし、天候による遅延が無いよう対策を施しました。

チーム全体としての雰囲気や体制、設計者や事業主への対応などにおいて、どのような配慮や工夫をされましたか?
  • H.K

    作業員と密にコミュニケーションをとり、他の協力業者と連携を図ることで、働きやすい作業環境を構築し作業を進めました。
    共用部の仕上げは事業主、設計者との打合せを密に行いました。
    事業主担当者からは、「非常に良い建物が完成した」と満足いただいており、南海辰村建設として信頼関係が結ばれたと思います。

  • T.K

    現場員と協力業者がうまくコミュニケーションを図り、良い作業環境が築けました。
    設計等に関してアイデアが豊富で、柔軟な対応が求められましたが、より良いものを目指し打合せを密に行い、信頼関係が構築できたと感じております。

完成した建物を見たときの率直な気持ちと、今後のプロジェクトに対する意気込みは?
  • H.K

    内観、外観共凝った納まりでしたが、完成した建物を見ると納得できる建物が出来たと感じました。これからお住まいになられる方も必ず満足して頂けると思います。
    当物件で学んだ事を生かし次のプロジェクトでも事業主、住まわれる方に満足頂ける建物を提供出来るよう更なる成長を目指します。

  • T.K

    苦労した分達成感はありましたし、協力業者の協力的かつ品質レベルの高さを感じました。
    難易度の高い物件ではありましたが、特に工程管理は学ぶことの多い物件でした。
    このプロジェクトで経験したことや学んだことをこれから携わるプロジェクトで生かしたいです。

プロジェクトデータ

所在地
川崎市宮前区鷺沼三丁目4ー2
主要用途
共同住宅(賃貸)
構造・規模
RC造 杭基礎 地上7階・総戸数89戸
発注者
JR西日本プロパティーズ株式会社
設計
株式会社IAO竹田設計
工期
2023年2月〜2024年10月
延床面積
7,246.20m2